秋の食・生活・心の養生 ~ 収める力と潤いを育てる季節 ~

秋は、外へ広がっていたエネルギーが、内側へと「収まりはじめる」季節です。
夏の開放から一転し、気は静かに内へと向かい、余分なものを手放し、必要なものを蓄える流れに入ります。

このエネルギーの方向性は、「収斂(しゅうれん)」と「粛降(しゅくこう)」。
つまり、広がったものを引き締め、上にあったものを下へと落ち着かせていく働きです。

秋に対応する臓器は「肺」です。肺は、呼吸を通して「気」を取り込み、全身に巡らせる役割を担います。

また、皮膚や粘膜とも深く関係し、外界から身を守るバリアのような働きもしています。

しかし秋は、空気が乾燥しやすく、この「肺」を傷つけやすい季節でもあります。
そのため秋の養生は、「潤すこと(潤肺)」が何より大切になります。

秋にあらわれやすい感情は「悲(かなしみ)」です。
日が短くなり、空気がひんやりしてくると、どこか寂しさや切なさを感じやすくなります。

これは自然な心の動きであり、「手放すための準備」ともいえます。

無理に抑え込むのではなく、

・深く呼吸をする
・軽く体を動かす
・自然の中で過ごす

ことで、気を巡らせ、心に余白をつくっていきましょう。

秋の食養生
秋の養生の鍵は、「潤す・整える・収める」ことです。
乾燥から肺を守りながら、夏の疲れを癒し、冬に向けて内側を整えていきます。

秋におすすめの食材と働きとしては

①白い食材で肺を養う
白い食材は、肺に働きかけるとされています。
(食材例)・大根・れんこん・山芋・ゆり根

② 潤いを与え、乾燥を防ぐ
体液を補い、喉や皮膚の乾燥を防ぎます。
(食材例)・梨・はちみつ・豆腐・白ごま・白きくらげ

③ 気を補い、免疫力を高める
肺は外界から身を守る働きと関係が深く、免疫にも大きく関わっています。そのため、気を補う食材を取り入れることが大切です。
(食材例)・山芋・さつまいも・里芋・大豆・きのこ類

④発酵食材を積極的にとる
発酵食材は秋の食欲とともに取り入れた食べ物の消化を助ける効果があります。
(食材例) ・味噌・醤油・ぬか漬け・キムチ・納豆・甘酒

秋の生活・心の養生
 秋は、夏に外へ向かっていた意識を、少しずつ内側へと戻していく季節です。静かな時間を増やし、心身を穏やかに調整するようにしましょう。
⒈乾燥から身を守る
 秋は“乾き”が最大のテーマです。
・部屋の湿度を保つ(加湿・湯気など)
・喉や肌の乾燥を防ぐ
など、外からも内からも、潤いを守る意識が大切です。

⒉呼吸を整える
 肺の働きを高めるためには、「呼吸の質」がとても重要です。
・ゆっくり深い呼吸を意識する
・朝の新鮮な空気を取り入れる
・自然の中で呼吸を深める
呼吸が整うと、気の巡りも整い、心も安定していきます。

⒊睡眠をしっかりとる
 秋は、体を回復させ、冬に備えてエネルギーを蓄える時期です。
 ・早めに休む
・十分な睡眠をとる
ことで、心身の回復と安定につながります。


⒋心を穏やかに保つ
 秋は、気持ちが沈みやすく、不安定になりやすい時期でもあります。
こんな時は
・静かな時間を持つ
・自然に触れる
・自分の内側と向き合う
など、心を落ち着かせる時間を意識的にとり、穏やかに過ごすことが大切です。

秋は乾燥から身を守りながら、静かに内側と向き合う。そのやわらかな余白が、次の季節を迎える力になります。

東方健寿実業株式会社
代表取締役 王一 ゆいさん

1973年 中国 黒竜江省生まれ。1994年来日。名古屋商科大学 大学院修了。(経営学修士)
現在、東方健寿実業株式会社 代表取締役、東方薬膳学院、東方薬膳食堂、東方易経研究院、オンランスクール養生大学、天地・礼心養生文化館を運営。
実生活に役立つ薬膳・易経を伝える講師として活動して17年目。易経の原理原則を応用したことで、過去に経営した薬膳レストランは年間4万人が訪れる大繁盛店に。

東方健寿実業株式会社
公式サイト:https://www.shokuyokan.com/

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