
「更年期」ってよく聞くけれど、いったいどんなふうに始まって、どのように変化しているの?見えにくい心や体の揺らぎに、戸惑っている方も多いのではないでしょうか。
前編では、体や心の不調、生理の変化、婦人科との向き合い方についてお話を伺いました。
後編では、「産後との関係」や「周囲との関わり方」に焦点を当て、それぞれのリアルな経験をお届けします。
参加者の自己紹介

松本 遥さん(仮名・51歳)/自営業
40代後半から体の不調を感じはじめ、最近は少しずつ落ち着いてきたものの、まだ体調の波を感じることがある。病院にかかったことはない。

上沢 晃子さん(仮名・56歳)/会社員

福田 ゆりこさん(仮名・52歳)/会社員
40代前半から更年期の症状を意識するようになり、更年期障害と診断される。現在もホルモン療法を受けながら日々の体調と向き合っている。複数の婦人科を受診。

進行役:上野 さくらさん(仮名)・40代
出産が大変だった人は、更年期も重い?
よく「更年期がつらい人は、産後も大変だった人が多い」といった話を聞くことがありますが、実際のところはいかがでしたか?
私は産後の肥立ちは、そこまで大変ではなかったですね。体というよりは、メンタルの波があって、ちょっとした言葉にイラッとしたり…ということはありました。
私も体調面ではそこまで大きなトラブルはなかったんですが、母乳があまり出なくて…。「これでいいのかな」と悩んだ時期はありましたね。逆に母乳が出ないから粉ミルクを両親に預け、思い切って旅行に行ったこともありました。ちょっと距離を取ることで、気持ちを整える時間になりました。
私は、産後はかなり大変でした。母乳が出なくて、でも“母乳神話”みたいなものもあって…。赤ちゃんは泣くのに、出ない。寝不足で体は限界なのに休めない。その悪循環で、体も心もかなり消耗していました。
産後5ヶ月で復職してフルタイム勤務になり、免疫力が落ちていたのか膀胱炎にもなって…。病院にかかることも増えました。
でも当時は「これくらい」と思って、気合と根性で乗り切っていたんです。1年ほどはなんとかやっていましたが、今振り返ると、そのときの無理が更年期の不調につながっているのかもしれないと感じています。
お話を伺うと、産後の状況と更年期の感じ方は一概には言えないものの、そのときの体や心の負担のかかり方が、後々の不調につながっている可能性はあるのかもしれませんね。
「もう無理かも」と思った時に…私たちが選んだ向き合い方
更年期は、体だけでなく心の変化も大きい時期ですよね。周囲との関わり方で困ったことや、工夫したことがあれば教えてください。
私はちょうど仕事を新しく始めたタイミングで、「やりたいこと」と「体がついてこない現実」の間で、焦りがありました。
そこに家事や家庭のことも重なって、プレッシャーが強くて…。夫との関係でも、思うようにいかないことがあって、気持ちがどんどん自分に向いてしまう感じでした。
そういう時って、どうやって乗り越えていかれたんですか?
私の場合は、とにかく“距離を取る”ことでした。一人の時間をつくったり、信頼できる友人と過ごしたりして、気持ちを外に出すようにしていました。
その中で、自分が抱えすぎていたことにも気づいて…。「もうしょうがない」と手放すことも必要なんだなと思うようになりました。今の自分の状態を客観的に見て、無理のないスケジュールを組む。それだけでも気持ちがかなり楽になりました。
私は娘が一人立ちしたあと、一人暮らしを始めた頃から体調の揺らぎを感じるようになりました。
一人だったので誰かに当たることはなかったんですが、その分、仕事のプレッシャーなどを内に溜め込んでしまって…。結果的に、精神的にも不安定になり、一度お仕事をお休みすることになりました。今思うと、「誰かに話せなかったこと」が大きかったのかなと感じています。
それでも、そういう時期をなんとか乗り越えてきて、今は「時期が来れば、少しずつ落ち着いていくものなんだな」と感じています。
お休みのときに、ストレス解消でやっていたことはありますか?
体のメンテナンスですね。整体に行ったり、ヨガやホットヨガでしっかり汗をかいたり。あとは
散歩や、飼っている猫と過ごす時間!ただ一緒にいるだけでも癒されました。
ねこちゃんは癒されますね。
私は、自分の中ではすごく変化を感じていたんですけど、たぶん誰にも気づかれていなかった気がします。見せないようにしていた、というのもあったのかなと。何かに当たるとかは全然なくて、その分、自分の中に負荷がかかっていたんだと思います。
なので、イライラというよりも、気分が落ち込む、元気が出ない、という形で出ていました。あと、更年期って本当に不思議で…何もしてないのに「太る」「むくむ」「疲れやすい」みたいなことが起こるんですよね。
本当に!
水やコーヒーみたいにカロリーがないものでも、なんだか体に溜まっていくような感覚がありますよね。
筋肉もつきにくくなって、その影響なのか、肩や腰に痛みが出ることもありました。振り返ると、小さなサインはいくつもあったのかもしれません。ただ、強い痛みがあるわけではないと、どうしてもそのままにしてしまいがちで…。
今は婦人科でホルモン補充療法を受けながら、体調をコントロールしていますが、それが正解なのかは正直わからなくて…。それでも、朝がつらいとか、起きられない、頭痛やめまいといった“理由のはっきりしない不調”は、今でも時々あります。
つらいですね。でも、それも時間が解決していく部分はあると思います。
少しずつ楽になっていく、という感じですか?
モヤが晴れる感じ?
そうそう。ある日、ふっと抜けるような感覚になるんです。水の中にいるみたいなぼんやりした感じがなくなって、すごく動きやすくなります。
考え方も変わって、より論理的になっていくとも聞きます。そういう変化も含めて、女性の体って本当に不思議だなと思います。
「知ること」と「話すこと」で、
少し気持ちが楽になるかもしれません
これから更年期を迎える方や、今まさに悩んでいる方へ、メッセージをお願いします。
まずは「知ること」が大事だと思います。私も「これがそうなのかな?」と思って調べたときに、更年期は10年ほど続くこともあると知って驚きました。
病院での治療や漢方といった選択肢もありますが、同世代の人や少し先を経験している方と話して、情報交換をすることも大切かな。「自分だけじゃない」と思えることが、安心につながりますよね。
私は、もうだいぶ抜けてきている段階なんですが、会社を休んだ時期にいろいろ考える時間がありました。その中で感じたのは、女性のライフスタイルは本当に千差万別だということです。出産や仕事の状況など、それぞれまったく違いますよね。
だからこそ、更年期は避けられないものではあるけれど、自分の体と向き合う時間でもあるのかなと思うようになりました。私にとって、あの時期はこれから先を生きていくための「いい夏休み」でした。体を一度リセットする時間として捉えてもらえたらと思います。
私はそう考えるようになってから、今はまた前向きに仕事に向き合えています。
私は「自己判断しないこと」が大事だと思います。更年期だと思っていたら、別の病気が隠れている可能性もありますし、きちんと専門家に相談した方が、結果的に楽になります。
それともう一つ。「話せる場所」を持つこと。女性同士でも分かり合えないことはあるし、だからこそ、安心して話せる相手や場所があると違います。ひとりで抱え込まずに、誰かに話してほしいですね。
ありがとうございます。更年期は、誰にでも訪れるもの。でも、その感じ方や過ごし方は、本当に人それぞれです。だからこそ、「こんなふうに感じているのは、自分だけじゃない。必ず辛い時期もいつか出口がくる」そう思えることが、何よりの支えになるのかもしれませんね。
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